剤とは(数え方など)

新人薬剤師のお役立ち

はじめに

薬局で働いていると1剤、2剤など「剤」という言葉を耳にすることがあると思います。

初めて聞いた場合処方されている薬の数のことと思ってしまうかもしれませんが、少し違うのでこの記事で説明させていただきます。

5分ぐらいで読めるよう書いておきます。

ちなみに「剤」という単位はかなり大切です。

剤とは

  • 服用するタイミングが同じものをまとめて1剤と数えます。
  • 服用タイミングが異なっていても同一有効成分同一剤型のものはまとめて1剤と数えます。
  • 内服固形剤(錠剤、散剤等)と内服液剤は混ぜて調剤していなければ服用タイミングが同じでも別剤として数えます。
  • 内服錠、舌下錠、チュアブル錠など服用方法が異なる時は服用方法が同じでも別剤として数えます。

ポイント

【服用タイミングについて】

「食後」、「食直後」、「食後30分」などはすべて「食後」と同じ扱いです。

「食前」、「食直前」、「食前30分」などはすべて「食前」と同じ扱いです。

「食間」、「食後2時間後」などはすべて「食間」と同じ扱いです。

【同一剤型について】

服用タイミングが異なっていても同一有効成分で「同一剤型」のときはまとめて1剤とするという決まりがあると記載させていただきましたが、同一剤型かどうかは下記の剤型の種類によって判断します。

下記↓の剤型の種類はそれぞれ別剤型として扱います。※1

(錠剤、口腔内崩壊錠、舌下錠、分散錠、粒状錠、カプセル、粒状カプセル、丸剤、散剤、ドライシロップ、顆粒剤、細粒剤、末剤、液剤、シロップ剤、経口ゼリー剤、チュアブル、バッカル)

【ややこしいポイント】

上記の※1別剤型として扱います。」というのは、服用タイミングが異なっている同一有効成分のものを同一剤型としてまとめるかどうかの判断に使うもので、

例としては

アムロジピン錠2.5mg 1錠 朝食後

アムロジピンOD錠5mg 1錠 夕食後

のような場合、錠とOD錠(口腔内崩壊錠)は別剤型扱いなので2剤になる

というような感じであり

同一服用タイミングによる服用方法が異なるもの

例としては

ブロチゾラム錠0.25mg 1錠 就寝前

モンテルカストチュアブル10mg 1錠 就寝前

※同一剤型かどうかではなく、錠とチュアブルは服用方法が異なるから2剤になるという考え方や

後発医薬品への変更の際の「類似剤型」の考え方(別記事参照)

とは少し違うので注意が必要です。

とてもややこしいですね。

例題いろいろ

【例題1】

A錠 朝食後

B錠 朝食後

C錠 朝食後

答え.1剤(1剤3種)

※すべて同一服用タイミングのため、まとめて1剤です。3種類あるので1剤3種とも言います。

【例題2】

A錠 毎食後

B錠 毎食直後

答え

1剤(1剤2種)

※毎食後と毎食直後は同じ服用タイミング扱いなのでまとめて1剤です。

【例題3】

A錠 毎食後

Bシロップ 毎食後

答え

2剤

※同一服用タイミングだが内服用固形剤と内服用液剤なので混ぜて調剤していなければ別剤扱いとなり2剤となります。

【例題4】

A錠 毎食後

Bチュアブル 毎食後

答え

2剤

※同一服用タイミングで、どちらも内服用固形剤だが服用方法が異なるので別剤扱いとなります。

【例題5】

A錠 朝食後

B錠 夕食後

答え

2剤

※服用タイミングも有効成分も異なるので別剤です。

【例題6】

A錠 毎食後

B口腔内崩壊錠 毎食後

答え

1剤(1剤2種)

※別剤型だが同一服用タイミングで、どちらも内服用固形剤の為まとめて1剤となります。

【例題7】

A錠2mg 朝食後

A錠4mg 夕食後

答え

1剤

※服用タイミングは異なるが同一有効成分で同一剤型の為まとめて朝夕食後として1剤と考えます。

【例題8】

A錠2mg 朝食後

A口腔内崩壊錠4mg 夕食後

答え

2剤

※服用タイミングは異なる。同一有効成分だが、内服錠と口腔内崩壊錠は別剤型扱いの為まとめられず2剤と考える。

おわりに

剤についての考え方はこんな感じです。

剤の数は「薬剤調製料」という点数がいくつ算定できるかや「外来服薬支援2」の算定の可否に必要なので結構大切です。

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