はじめに
指定された条件(施設基準)を満たして地域医療に貢献している薬局となれば地域支援体制加算という加算をとることができます。
1処方箋受付ごとに毎回とれるので、この加算が算定できれば薬局の利益が大幅に上がります。
地域支援体制加算の区分
以下の4つの区分があります。
地域支援体制加算1(39点)
地域支援体制加算2(47点)
地域支援体制加算3(17点)
地域支援体制加算4(39点)
地域支援体制加算1と2は調剤基本料1を算定している薬局が条件を満たしたときにどちらかを算定することができます。
点数の高い地域支援体制加算2のほうが地域支援体制加算1にくらべてクリアするための条件が難しくなっています。
地域支援体制加算3と4は調剤基本料1以外を算定している薬局が条件を満たした時にどちらかを算定することができます。
点数の高い地域支援体制加算4のほうが地域支援体制加算3にくらべてクリアするための条件が難しくなっています。
※調剤基本料ってなんだっけと思う方は「調剤基本料について」の記事をよかったら読んでみてください。
調剤基本料1 | 調剤基本料1以外 | |
地域支援体制加算1 | 比較的とりやすい | × |
地域支援体制加算2 | がんばればとれる | × |
地域支援体制加算3 | × | 比較的とりやすい |
地域支援体制加算4 | × | かなりがんばればとれる |
地域支援体制加算を算定するためにクリアしなければならないこと(施設基準)
地域支援体制加算1~4共通でクリアしておく必要のある要件
- 医薬品1200品目以上の備蓄があること。
- 自分の薬局のみ、又は近隣の薬局と連携して24時間調剤および在宅業務に対応できる体制があること。
- 初回処方箋受付時に担当者と連絡が取れる電話番号、緊急時の注意事項(連携している薬局の情報等)などについて説明し、文書にて交付する。また、これらの情報を薬局の外側の見やすい場所に掲示する。
- 地方公共団体や医療機関等に24時間調剤および在宅業務へ対応できる旨を周知する。
- 保険調剤以外の医薬品に関する情報もしっかり薬歴に記載し必要な指導を行う。
- 平日8時間以上、土曜又は日曜のいずれかに一定時間以上開局し週45時間以上開局している。
- 管理薬剤師が保険薬剤師として5年以上の薬局勤務経験があり、週32時間以上勤務していて、その薬局に継続して1年以上在籍していること。
- 在宅業務を行える体制をととのえ、薬局内外に在宅業務を行う薬局であることを掲示する。
- 薬局内で研修実施計画を作成し研修を実施するとともに定期的に外部の学術研修を受けさせる。
- 医薬品医療機器情報配信サービス(PMDAメディナビ)に登録し、最新情報を薬剤師に周知していること。
- 薬局で調剤された医薬品の情報(一般名、剤型、規格、製剤の特徴、緊急安全性情報、医薬品や医療機器の回収情報など)を提供できる体制にあること。
- 患者との会話のやりとりが他者に聞こえないようプライバシーに配慮している。(パーテーションで区切るなど)
- 一般用医薬品を販売している。
- 生活習慣全般に係る相談に対応し、健康情報拠点としての役割をはたすこと。
- 健康相談を行っていることを薬局の内外の見やすい場所に掲示していること。
- 医療材料、衛生材料を供給できること。在宅患者に医療機関から衛生材料の提供の指示をうけた場合は、原則それを患者に提供すること。(その費用は医療機関に請求する)
- 患者または患者家族の同意があれば在宅業務の結果の治療上必要な情報を医療機関の関係職種に文書により随時提供する。
- ケアマネージャーなどの保険医療サービスや福祉サービスとの連携調整を担当している方や地域包括支援センターと連携する。
- 薬局機能情報提供制度において「プレアボイド事例の把握・収集に関する取組の有無」を「有」にして直近1年以内に都道府県に報告していること。※「プレアボイド事例の把握・収集に関する取組の有無」とは
- 副作用報告に係る手順書を作成し、報告を実施する体制があること。
- 処方箋集中率が85%を超えるときは、直近3か月の後発医薬品変更率が50%以上であること。
以上が地域支援体制加算を算定するうえで必須の条件(施設基準)です。
この条件を満たしたうえに地域支援体制加算1~4でさらにクリアするべき個別の条件(施設基準)があるので記載しておきます。
地域支援体制加算1を算定するためにクリアするべきこと
地域支援体制加算1(39点)を算定するには上記の必須条件の他に下記の条件をクリアする必要があります。
下記①~④は必須で⑤か⑥のどちらかをクリアできればOKです。
①、調剤基本料1を算定していること。
②、麻薬小売業者の免許を取得し必要な指導ができること。
③、在宅業務を1年間に24回以上行っていること。
④、かかりつけ薬剤師指導料、かかりつけ薬剤師包括指導料に係る届出を行っていること。
⑤、服薬情報等提供料の算定回数が年に12回以上。(同等の業務も可)
⑥、研修認定薬剤師が地域の多職種との連携会議に1回以上出席していること。
※1年間の実績であり前年3月1日から当年2月末までの実績で判断する。
地域支援体制加算2を算定するためにクリアするべきこと
地域支援体制加算2(47点)を算定するには上記の必須条件の他に下記の条件をクリアする必要があります。
下記①~⑥は必須で1⃣~9⃣のうちの3つをクリアすればOK
①、調剤基本料1を算定していること。
②、麻薬小売業者の免許を取得し必要な指導ができること。
③、在宅業務を1年間に24回以上行っていること。
④、かかりつけ薬剤師指導料、かかりつけ薬剤師包括指導料に係る届出を行っていること。
⑤、服薬情報等提供料の算定回数が年に12回以上。(同等の業務も可)
⑥、研修認定薬剤師が地域の多職種との連携会議に1回以上出席していること。
1⃣、時間外加算と夜間休日等加算の合計が400回以上。
2⃣、麻薬加算を10回以上算定。
3⃣、重複投薬・相互作用等防止加算、もしくはそれの在宅バージョンを40回以上算定。
4⃣、かかりつけ薬剤師指導料とかかりつけ薬剤師包括指導料を40回以上算定。
5⃣、外来服薬支援料1を12回以上算定。
6⃣、服用薬剤調整支援料1と2を合計で1回以上算定。
7⃣、在宅患者訪問薬剤管理指導料または同等の業務を24回以上。
8⃣、服薬情報等提供料を60回以上算定。(算定していない同等の業務もカウント可)
9⃣、研修認定薬剤師が地域の多職種との連携会議に年5回以上参加する。
注意点!:9⃣の地域の多職種との連携会議への参加は1年間で行った数でカウントするが、それ以外のカウントは処方箋受付1万回あたりの実績とする。
つまり処方箋受付が2万回の薬局は上記1⃣~8⃣の回数×2をクリアする必要があるということです。
※処方箋受付が1万回以下の薬局は1万回とみなすようです。
地域支援体制加算3を算定するためにクリアするべきこと
地域支援体制加算3(17点)を算定するには上記の必須条件の他に下記の条件をクリアする必要があります。
下記①と②は必須で1⃣~9⃣のうち4⃣と7⃣を含む3つをクリアすればOK
①、調剤基本料1以外を算定している。
②、麻薬小売業者の免許を取得し必要な指導ができる。
1⃣、時間外加算と夜間休日等加算の合計が400回以上。
2⃣、麻薬加算を10回以上算定。
3⃣、重複投薬・相互作用等防止加算、もしくはそれの在宅バージョンを40回以上算定。
4⃣、かかりつけ薬剤師指導料とかかりつけ薬剤師包括指導料を40回以上算定。
5⃣、外来服薬支援料1を12回以上算定。
6⃣、服用薬剤調整支援料1と2を合計で1回以上算定。
7⃣、在宅患者訪問薬剤管理指導料または同等の業務を24回以上。
8⃣、服薬情報等提供料を60回以上算定。(算定していない同等の業務もカウント可)
9⃣、研修認定薬剤師が地域の多職種との連携会議に年5回以上参加する。
注意点!:9⃣の地域の多職種との連携会議への参加は1年間で行った数でカウントするが、それ以外のカウントは処方箋受付1万回あたりの実績とする。
つまり処方箋受付が2万回の薬局は上記1⃣~8⃣の回数×2をクリアする必要があるということです。
※処方箋受付が1万回以下の薬局は1万回とみなすようです。
地域支援体制加算4を算定するためにクリアするべきこと
地域支援体制加算4(39点)を算定するには上記の必須条件の他に下記の条件をクリアする必要があります。下記①は必須で1⃣~9⃣のうち8つ以上をクリアすればOK
①、調剤基本料1以外を算定している。
1⃣、時間外加算と夜間休日等加算の合計が400回以上。
2⃣、麻薬加算を10回以上算定。
3⃣、重複投薬・相互作用等防止加算、もしくはそれの在宅バージョンを40回以上算定。
4⃣、かかりつけ薬剤師指導料とかかりつけ薬剤師包括指導料を40回以上算定。
5⃣、外来服薬支援料1を12回以上算定。
6⃣、服用薬剤調整支援料1と2を合計で1回以上算定。
7⃣、在宅患者訪問薬剤管理指導料または同等の業務を24回以上。
8⃣、服薬情報等提供料を60回以上算定。(算定していない同等の業務もカウント可)
9⃣、研修認定薬剤師が地域の多職種との連携会議に年5回以上参加する。
注意点!:9⃣の地域の多職種との連携会議への参加は1年間で行った数でカウントするが、それ以外のカウントは処方箋受付1万回あたりの実績とする。
つまり処方箋受付が2万回の薬局は上記1⃣~8⃣の回数×2をクリアする必要があるということです。
※処方箋受付が1万回以下の薬局は1万回とみなすようです。
おわりに
地域支援体制加算を算定するためのハードルは結構高いですが、算定できれば処方箋受付事に毎回算定できるので薬局の収益が大幅に上がります。
地域支援体制加算を算定できるようにすることを条件に年収アップの交渉やボーナスの交渉をすればモチベーションもあがると思います。
コメント