夜間・休日等加算とは

新人薬剤師のお役立ち

はじめに

こちらの記事では【夜間・休日等加算】について書いていきます。

読んでいただくと【夜間・休日等加算】についてと、よく間違われる【時間外加算、休日加算、深夜加算】との違いが分かるようになります。

夜間・休日等加算(40点)とは

夜間・休日等加算(40点)は条件を満たした状態で処方箋を受付けると薬剤調製料のところに40点上乗せできる加算です。

処方箋受付け1回ごとに算定できます。

しかも算定のハードルがとても低いのでとりやすいです。

いつ算定できるか、算定の要件

夜間・休日等加算は薬局が通常通り開局している時間内で他の薬局が業務を行っていないであろう時間に処方箋を受付けた時に算定できます。

【算定できる時間】

他の薬局が業務を行っていないであろう時間とは(現在は業務行っている薬局は多いですが)

平 日:午後7時~翌朝午前8時

土曜日:午後1時以降

祝祭日:終日

日曜日:終日

のことを指します。

【算定するための要件】

また、夜間・休日等加算を算定するには薬局の開局時間を薬局の内外に表示し、夜間・休日等加算の対象となる時間帯と日を薬局内のわかりやすい場所に掲示する必要もあります。

そして夜間・休日等加算を算定場合は薬歴や調剤録に処方箋受付け時間も記載しましょう。

〈掲示例〉

下記の時間帯に処方箋を受付けた場合は夜間・休日等加算(40点)が加算されますのでご了承ください。

平 日 :午後7時~午前8時

土曜日 :午後1時以降

日、祝日:終日

【夜間・休日等加算】よく間違えられる【時間外加算、休日加算、深夜加算】との違い

【夜間・休日等加算】と【時間外加算、休日加算、深夜加算】はネーミングが似ていますが算定できるタイミングや点数が違う別の加算です。

私も新人の時はよくわかっていなかったので違いを記載しておきます。

夜間・休日等加算時間外加算、休日加算、深夜加算
開局時間内
他の薬局が閉まっていそうな時間に
処方箋受付けで算定可能。

開局時間外に処方箋を受付けるために
閉まっている薬局を開けると
算定可能。

イメージ的には

夜間・休日等加算:通常開局中の薬局で朝早くまたは夜遅めや土曜午後に処方箋受付けた時に算定する。

時間外加算、休日加算、深夜加算:開局時間外でシャッター閉まっている状態から、その処方箋を受付けるためにシャッターを開けて受付け完了したら算定する。

というような感じです。

例外

  1. その薬局の通常の開局時間内だとしても日曜日、祝日、12月29~1月3日に受付けた処方箋は終日とおして夜間・休日等加算を算定可です。
  2. 開局時間が午後7時までの薬局だが、患者さんたちが来つづけて午後7時をすぎて受付けした場合開局時間外だが、1回シャッター閉めてから開けたわけではないので時間外加算ではなく夜間・休日等加算を算定する。
  3. 日曜日休日の薬局が、日曜日に近隣の医療機関が開院したので、それにあわせて開局した場合は通常の開局日以外だが休日加算ではなく夜間・休日等加算を算定する。
  4. 土曜日午前9時から午後1時まで開局の薬局が、1回シャッター閉めた後に患者からの要望により午後2時にシャッター開けて処方箋受付けた場合は1回シャッター閉めているが時間外加算の算定できる時間(午前6時~午前8時、午後6時~午後10時)外の為、時間外加算ではなく夜間・休日等加算を算定する。

例題いろいろ

【例題1】 午前7時から午後6時まで開局の薬局が、午前8時に処方箋を受付けた。

A.夜間・休日等加算を算定できる。

※通常の開局時間内であり、夜間・休日等加算が算定できる午後7時~翌朝8時の時間内の為。

【例題2】 土曜開局時間が午前9時から午後2時の薬局が、午後1時に処方箋を受付けた。

A.夜間・休日等加算を算定できる。

※通常の開局時間内であり、土曜日は午後1時以降算定可能な為。

【例題3】 開局時間9時から午後6時半までの薬局が、患者さんが途切れずに営業を続け午後7時に処方箋を受付けた。

A.夜間・休日等加算を算定できる。

※通常の開局時間外だが薬局が営業を続けて夜間・休日等加算を算定できる時間まで到達したときは夜間・休日等加算を算定する。

【例題4】 開局時間9時から午後6時半までの薬局が、午後6時半に1度薬局を閉めた後に患者からの要請により再度薬局を開けて午後7時に処方箋を受付けた。

A.夜間・休日等加算ではなく時間外加算を算定できる。

※通常の開局時間外であり、1度閉店してからの開局であり、時間外加算を算定可能な時間(午前6時~午前8時、午後6時~午後10時)の範囲内での受付の為。

【例題5】 土曜日開局時間午前9時~午後1時の薬局が、午後1時に1回薬局を閉めた後に患者からの要請により再度薬局を開けて午後2時に処方箋を受付けた。

A.夜間・休日等加算を算定する。

※1度薬局を閉めてから再度開けているが時間外加算を算定できる時間(午前6時~午前8時、午後6時~午後10時)の範囲外での受付の為に時間外加算を算定できずに夜間・休日等加算を算定する。

【例題6】 土曜定休日としている薬局が患者からの要請によりシャッターを開けて午後2時に処方箋を受付けた。

A.時間外加算算定できる

※土曜日に開局している場合は夜間・休日等加算を算定することになるが土曜日終日休業状態の薬局がシャッター開けて処方箋受付けした場合は午前6時~午前8時、午後6時~午後10時以外の時間でも時間外加算を算定できる。

【例題7】 日曜日休業の薬局が近隣の医療機関臨時で開院したのでそれに合わせて開局して処方箋を受付けた。

A.夜間・休日等加算を算定

※通常は休みである日曜日に開局しているが、近隣の医療機関が開院したことによる開局は休日加算ではなく夜間・休日等加算を算定する。

【例題8】 日曜日休業の薬局が門前の医療機関が休日当番によって開院したこと合わせて開局して処方箋を受付けた。

A.夜間・休日等加算を算定

※例題7と同じで近隣の医療機関と合わせて開局した場合は休日加算ではなく夜間・休日等加算を算定する。

【例題9】 日曜日休業の薬局が輪番薬局として近隣の医療機関の開院とは関係なく開局した。

A.休日加算がとれる場合もある

※休日の救急医療確保の為に開局していると判断されれば算定可。詳しくは「時間外加算とは、休日加算とは、深夜加算とは」参照してください。

おわりに

夜間・休日等加算は算定しやすい点数ということが分かってもらえたと思います。

夜間・休日等加算と混同しやすい【時間外加算】【休日加算】【深夜加算】についても併せて知っておくと、より知識が安定すると思います。

【時間外加算】【休日加算】【深夜加算】についても知りたい方は「時間外加算とは、休日加算とは、深夜加算とは」をご覧ください。

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