5日間で学ぼう【2日目】(散剤や水剤の調剤)

薬学生のお役立ち

はじめに

薬剤師として働くときに最初につまずく方が多いのが散剤と水剤の調剤だと思います。

逆に最初から、これらがスムーズにできれば「お!出来るな。」と思ってもらえます。

なので、今日の勉強でできるようにしてしまいましょう。

散剤の調剤

処方箋の薬の量の記載が1日量のときと1回量のときと成分量のときがあるので注意しましょう。

【例1】1日量記載の場合

カルボシステインドライシロップ50% 0.6g

1日3回 毎食後 7日分

※この場合1日量が0.6gで、それが7日分なので

0.6g×7日分=4.2g

つまりカルボシステインドライシロップ50%を4.2g量りとって、分包機で21包にすればOKです!

【例2】1回量記載の場合

カルボシステインドライシロップ50% 1回0.2g

1日3回 毎食後 7日分

※この場合は1回0.2gで1日3回なので

0.2g×3回×7日分=4.2g

つまりカルボシステインドライシロップ50%を4.2g量りとって、分包機で21包にすればOKです!

【例3】成分量記載の場合

カルボシステインドライシロップ50% 300mg

1日3回 毎食後 7日分

※この場合は成分量(mg)から量りとる1日量(g)を計算して出す必要があります。

難しい計算は必要ないので大丈夫です。

成分量(mg)を%の数字を10倍したもので割れば1日のgが出ます。

簡略化した計算式を覚えてしまいましょう。

成分量(mg)÷%の数字×10

つまり、この場合は

300(mg)÷(50(%の数字)×10)

300÷(50×10)=0.6g

となり1日の量りとる量が0.6gと分かります。

なので1日量0.6g×7日分の4.2gを分包機で21包にすればOKです!

散剤の調剤のまとめ

【覚える言葉】

成分量:薬の有効成分をmgなどで表したもの

秤量値(ひょうりょうち):実際に量りとるgやmlなどで表したもの

【ポイント】

ポイントは成分量で書かれた処方箋が来たときに、秤量値が分かるかどうかです。

成分量÷%の数字×10=成分量

を覚えましょう。

注意点は%の数字を10倍であり%ではないというところです。

つまり50%のときは

50×10で500にする必要があります。

50%は0.5なので

0.5×10としないよう注意してくださいね。

これで散剤の調剤ができるようになりましたね。

余力があれば監査(チェック)の方法も書いておくので読んでみてください。

散剤の監査

散剤の監査は調剤とは逆で成分量を計算で出す必要があります。

秤量値(g)×%の数字×10=成分量(mg)

と覚えましょう。

【例】

カルボシステインドライシロップ50% 0.6g

1日3回 毎食後 7日分

※この場合は1日の秤量値が0.6gなので成分量を出すためには

0.6g×50(%の数字)×10

0.6×50×10=300mg

1日の成分量が300mgだとわかります。

そして添付文書(薬の説明書)等を見るとカルボシステインは「1日あたり30mg/kg」という記載があると思うので成分量を30mg/kgで割ると

300mg÷30mg/kg=10kg

となり、今回の処方量(1日の成分量300mg)だと服用する患者さんの体重が10kgぐらいであればOKということがチェックできます。

水剤の調剤

水剤の調剤も基本的には散剤と同じです。

処方箋の薬の量の記載が1日量のときと1回量のときと成分量のときがあるので注意しましょう。

【例1】1日量記載の場合)

カルボシステインシロップ5% 9ml

1日3回 毎食後 7日分

※この場合は1日量が9mlで7日分なので9ml×7日分で63mlを量りとり、患者さんにお渡しする水剤ボトルに入れます。

3mlずつ服用してもらうよう伝えましょう。

【例2】1回量記載の場合)

カルボシステインシロップ5% 1回3ml

1日3回 毎食後 7日分

※この場合は1回3mlを1日3回の7日分なので

3ml×3回×7日分=63ml

となり63mlを量りとり水剤ボトルに入れてお渡しすればOKです。

【例3】成分量記載の場合)

カルボシステインシロップ5% 450mg

1日3回 毎食後 7日分

※この場合は成分量を秤量値にする必要があります。

計算式は散剤の時と同じです。

成分量÷%の数字×10なので

450mg÷(5×10)=9ml

つまり1日秤量値9ml×7日分の63mlを水剤ボトルに入れてお渡しすればOKです。

散剤と水剤の調剤のまとめ

覚えておくべき式

【成分量(mg)から秤量値(g、ml)への変換】

成分量mg÷(%の数字×10)=秤量値(g、ml)

※%の数字とは50%だとしたら50ということ、0.5ではないので注意です。

【秤量値(g、ml)から成分量(mg)への変換】

秤量値(g、ml)×%の数字×10=成分量(mg)

おわりに

これで散剤と水剤の調剤ができるようになったと思います。

計算があったので少し難しく感じたかもしれませんが、複雑なことをやっているわけではないので少しやればすぐに慣れると思います。

入社前に頑張って会得して「すごい!」と思ってもらいましょう。

明日3日目はジェネリック医薬品への変更の可否です。

頑張っていきましょう!

コメント

タイトルとURLをコピーしました