はじめに
一包化とは:患者さんが薬を飲みやすくするために服用タイミングごとにパッキングすることです。
条件をみたしてパッキングすると外来服薬支援2という点数を算定することができます。
外来服薬支援2とは簡単にいえばパッキングする手間賃のようなものというイメージでOKです。
今回【4日目】の勉強では「どんな時に一包化ができるのか」と「外来服薬支援2を算定するための条件」をマスターしてしまいましょう。
一包化の点数の外来服薬支援2はどういうときに算定できるか?
外来服薬支援2を算定するための条件は大きく分けると3つです。
①医師の指示
②一包化する理由
③薬の量
①の医師の指示とは処方箋に一包化と記載されていればOK、記載されていなければ処方元に問い合わせをして処方医から「一包化してもいいよ。」という確認がとれればクリアです!
②の一包化する理由とは「高齢で薬の管理が困難」や「認知症で薬の管理が困難」などの理由が必要です。薬が多くて管理がめんどくさいからとかの理由だと一包化して渡すことは可能だが外来服薬支援2の点数は算定できません。
③の薬の量がポイントで①、②の条件を満たしていても薬の量により外来服薬支援2が算定できるときとできない時があるのでここをしっかり分かるようにするのが今回の目標です。
一包化したときに外来服薬支援2を算定できる薬の量とは
結論は1剤3種以上もしくは2剤以上で服用タイミングがかぶっているときです。
わかりにくいですよね。説明していきます。
まず「剤」について知っておく必要があります。
厳密にいうと少し違うのですが、ざっくりいうと剤とは「同じ用法の薬をまとめて1剤という」というイメージでOKです。
剤について完璧に知っておきたいという人は、少し難しくなりますが「剤とは」のページを読んでみて下さい。
剤のイメージをつかむ為の例
例1)
アムロジピン錠5mg 1錠
カンデサルタン錠4mg 1錠
1日1回 朝食後 7日分
この場合、アムロジピンもカンデサルタンも同じ用法の朝食後なので、まとめて1剤という扱いになります。
「えっ?アムロジピンとカンデサルタンっていう薬が2種類あるから2剤じゃないの?」とはじめは思うかもしれませんが、同じ服用タイミングはまとめて1剤になるというルールがあります。
そして1剤の中に2種類の薬(アムロジピンとカンデサルタン)があるので、この場合は1剤2種という扱いになります。
例2)
アムロジピン錠5mg 1錠
カンデサルタン錠4mg 1錠
1日1回 朝食後 7日分
ブロチゾラム錠0.25mg 1錠
1日1回 就寝前 7日分
この場合はアムロジピンとカンデサルタンで1剤(1剤2種)、ブロチゾラムは別の用法の就寝前なので1剤として数えます。
つまりこの処方の場合は2剤ということになります。
このような感じで1剤3種以上もしくは2剤以上で服用タイミングがかぶっている処方を一包化すると一包化の点数(外来服薬支援2)を算定することができます。
例題いろいろ
一包化の医師の指示があり、一包化する正当な理由があるという前提で一包化した時に外来服薬支援2がとれるかどうかの例題です。
例題1
アムロジピン錠5mg 1錠
カンデサルタン錠4mg 1錠
アロプリノール錠100mg 1錠
1日1回 朝食後 7日分
↓
A.一包化の点数(外来服薬支援2)算定できる。
※1剤の中に3種類以上の薬がある。つまり1剤3種以上なので算定可。
例題2
アムロジピン錠5mg 1錠
カンデサルタン錠2mg 2錠
1日1回 朝食後 7日分
↓
A.一包化の点数(外来服薬支援2)算定できない。
※1剤の中に2種類の薬しかない。つまり1剤2種であり1剤3種に到達していないので算定不可。
例題3
アムロジピン錠5mg 1錠
1日1回 朝食後 7日分
ファモチジン錠10mg 2錠
1日2回 朝夕食後 7日分
↓
A.一包化の点数(外来服薬支援2)算定できる。
※朝食後と朝夕食後の2剤であり、朝食後の部分がかぶっているので算定可。
例題4
アムロジピン錠5mg 1錠
カンデサルタン錠2mg 2錠
1日1回 朝食後 7日分
アトルバスタチン錠5mg 1錠
ラベプラゾール錠10mg 1錠
1日1回 夕食後 7日分
↓
A.一包化の点数(外来服薬支援2)算定できない。
※朝食後と夕食後の2剤だが、服用タイミングがかぶっていないので算定不可。
例題5
アムロジピン錠5mg 1錠
1日1回 朝食後 7日分
ブロチゾラム錠0.25mg 1錠
モンテルカスト錠10mg 1錠
センノシド錠12mg 1錠
1日1回 就寝前 7日分
↓
A.一包化の点数(外来服薬支援2)算定できる。
※朝食後1剤、就寝前も1剤の合計2剤だが服用タイミングがかぶっていない。
しかし、就寝前の分だけで1剤3種以上あるので算定可。
これぐらいのパターンを覚えておけば大体大丈夫だと思います。
おわりに
一包化の点数をとるための薬の数は1剤3種以上の場合と2剤以上でかぶっている場合のみと覚えられましたか?
薬の数が足りない場合は一包化の点数は算定できませんが、一包化の医師の指示があれば一包化をつくることができるので、薬の管理が難しそうな患者さんがいた場合は薬剤師判断で患者さんと相談してパッキングの同意を得たうえで医師に一包化の指示をもらって一包化してあげましょう。
働いてみると思っている以上に薬の管理ができていない高齢の患者さんが多いのでびっくりすると思いますが、薬剤師として治療効果を上げる手伝いをしましょう。
明日は【5日で学ぼうシリーズ】の最後である【5日目】疑義照会についてです。
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